灰本クリニック

カルシウムをたくさん食べすぎると心血管死や癌死が増える

投稿日時:2020年04月27日

灰本クリニック 灰本 元

 みなさんはカルシウムを摂取すればするだけ骨が丈夫になると思っていませんか。カルシウムを多く含む食品は牛乳だけでなく小松菜など緑色野菜と小魚、海草などにかなり多く含まれています。小松菜一束は牛乳一本よりカルシウムが多く含まれています。

 カルシウムは世界的にも注目の栄養素なので、摂取量と病気の関係を調べた研究はたくさんあります。それらの多くの論文をまとめて解析してみると驚く事実がわかってきました。以下の結果は2014年(論文1)と2019年の論文(論文2)です。前者は76万人、後者は3万人の死亡とカルシウム摂取量を調査したものです。

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 一日800mgを超えると心血管死亡が上昇すること(図右)、カルシウムサプリの量が多くなると癌死が増えてくること(図左)が分かってきました。一日の摂取量(食品とサプリを合わせて)が1000mg(牛乳なら4本に匹敵)を超えると死亡危険度が上がることは明らかです。逆にカルシウムを飲んでも食べても転倒骨折を予防できないこともはっきりとわかってきました。一般的な食材から摂取するなら問題はないのすが、意図的に多く食べる、サプリを多く飲むのは効果がないどころかかえって危険です。
     

論文1:Dietary calcium intake and mortality risk from cardiovascular disease and all causes: a meta-analysis of prospective cohort studies (食事中のカルシウム摂取量と心血管死おより総死亡) Xia Wang et al., BMC Medicine 2014, 12:158
論文2:Association Among Dietary Supplement Use, Nutrient Intake, and Mortality Among U.S. Adults A Cohort Study 栄養サプリと食事治療の心血管死への効果) Fan Chen, et al., Ann Intern Med. 2019 604;613
 


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