高血圧治療の大きな目標は、「脳卒中」「心不全」「腎不全」の予防です。特に重要な脳卒中と心不全の予防のため、当院では患者さんの年齢や状態に応じて目標値を定めています。
2003年、脳血管障害(脳卒中)の予防を目的に収縮期家庭血圧(上の血圧)135が目標値に決まり、その直後から当院では徹底して135まで下げた結果、心房細動由来の高血圧とは無関係の脳卒中を除いて、杖歩行や寝たきりの脳卒中は20年間ほとんど発症していません。
ところが、2020年頃から75歳以上の高齢者に心不全が猛烈な勢いで増えてきました。2021年、私たち東アジアの民族でも125まで下げると心不全を7割も減らせることが明らかとなりました。
目標値(およそ1か月の平均)
| 対象者 | 上の血圧(収縮期血圧)の目標 | 主な目的 |
|---|---|---|
| 74歳以下の方 | 125 mmHg | 脳卒中と心不全の予防 |
| 75歳以上の方 | 135 mmHg | 転倒・骨折のリスクを防ぎながら心不全と脳卒中の予防 |
• 大切なこと:一回だけ高い日があっても心配ありません。一か月間の平均値で判断します。
• 当院の取り組み:2021年の新しい研究に基づき、心不全予防のため、74歳以下の方の目標値を125 mmHgまで下げて厳密に管理しています。
注意!「下げすぎ」は危険です 血圧は低ければ良いわけではありません。特に75歳以上や杖歩行の方は、血圧を下げすぎると、ふらつきによる転倒・骨折のリスクが高まります。転倒は命に関わることもあるため、135 mmHgを目標に「下げすぎない」ことも大切にしています。