症例2 Bさん、70歳代、身長: 170cm、体重: 50.0kg、BMI: 17.3
男性、肺気腫・肺癌術後、アルコール性肝炎
もともと食事量が身長のわりに極端に少なく、アルコール中心の食生活でした。糖質量は50-150g/日と平均の同世代の方の半分以下です。(70歳男性の平均糖質摂取量は 290g/日)。
癌は体重が多いほど転移や再発が少なく生存率が高いことがわかっています。
それで手術後から栄養治療を開始し、糖質量、脂質量ともに増やす工夫を色々と試しますが、体重は増えず、むしろ4ヶ月後には体重:47.2kg、BMI:16.3と減少しました。
半年後、苦肉の策で妻に協力を頼み、患者に内緒にして毎日飲む青汁1日3回にサラダ油大さじ1~2杯ずつ追加してもらうことにしました。
経過がこちらです。
毎日の献立に油を追加することは調理者の協力や手間、食費がかかりますが、1日に複数回飲む飲料に油を追加することで体重を増やすことができることを教えてもらえた衝撃的な症例でした。
この患者さんは4年経過した現在も、体重60kgを維持しています。