残念ながら採血によるピロリ菌検査(ABC検診)の精度は高くありません。ABC検診で正常でもピロリ菌に感染していないとは言い切れません。ピロリ菌の証明は①胃カメラで慢性胃炎がある、②尿素呼気試験あるいは便中ピロリ抗原が陽性、①と②の両方の証明が必要です。
ABC検診でピロリ菌の感染が疑われたら、すぐに胃カメラで慢性胃炎があるかないか、それにピロリ菌の有無を上記の方法によって正確に証明しましょう。もしピロリ菌に感染しているならすぐに除菌しましょう。1週間の服薬で98%ピロリ菌を除くことができます。
一方、ピロリ菌に感染していない胃からは潰瘍も癌はほぼ出ません。胃癌患者が100人いると1人程度です。ピロリ菌に感染していないなら被曝量が多い胃透視を今後まったく受ける必要はありません。胃カメラさえ10年に1回程度受ければ十分です。