灰本クリニック

アルコールの種類と健康への害

投稿日時:2021年09月22日

 アルコールを飲み過ぎるのは健康への害があるのは間違いありませんが、アルコールの種類まで検討した報告はほとんどありません。2021年1月に発表されたイギリスの30万人のアルコール摂取量と種類を解析した研究を紹介します。

 この研究ではアルコール飲料は①赤ワイン、②ビールとリンゴ酒、③白ワインやシャンパン、④スピリッツ(蒸留酒=ウィスキーなど)、⑤その他に分類されました。7年間の予測死亡率を計算すると、いずれもJカーブとなり、アルコール量が多くなると脳卒中死、心不全死などが増えました。死亡率が最も高いアルコール飲料は④スピリッツ(蒸留酒)、中間が②ビールやリンゴ酒、③白ワインやシャンパンはやや低く、①赤ワインが最も低いという結果でした(下図参照)。

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 この結果は西洋人を対象にしているので、そのまま日本人に当てはめられませんが、アルコール摂取量で最も死亡率が低くなるのは週20ユニット=週160 g=1日23 gでした(1ユニット=8 g)。つまり、赤ワインなら1日2杯弱(200 ml)、ビールなら500 ml、日本酒なら1合(180 ml)です。それより増えると直線的に死亡率が上がっていきます。特にスピリッツ(蒸留酒)は死亡率が高いので避けた方が無難です。グラフから推測すると、どうしても飲みたいなら水割りかお湯割にして多くても週25ユニット=週200 g=1日28 g(ウィスキーダブル1.5杯=90 ml、焼酎1合弱=160 ml)までにしましょう。


出典:Association between patterns of alcohol consumption (beverage type, frequency and consumption with food) and risk of adverse health outcomes: a prospective cohort study
アルコール消費のパターン(飲料の種類,頻度および食物との消費)と健康への悪影響のリスクとの関連:前向きコホート研究

Bhautesh Dinesh Jani, et al.
BMC Med. 2021 Jan 12;19(1):8. doi: 10.1186/s12916-020-01878-2.


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