投稿日時:2020年04月09日
灰本クリニックでは高血圧の薬を、起床時と寝る前の2分類で設定している。1日2回薬を飲むのは面倒に思われるかもしれないが、寝る前に薬を飲むことには利点がある。
今回の研究では、平均年齢60歳の19000人を集めて6年間、血圧の薬を起床時だけ飲むグループと寝る前だけ飲むグループに分けて心血管疾患になるリスクを比べた。起床時服薬グループに比べ寝る前服薬グループでは初めて心血管疾患を起こすリスクが45%減、心血管疾患での死亡リスクが56%減、心筋梗塞34%減、心不全42%減、脳卒中49%減となるデータが出た。この論文では寝る前の服薬が睡眠中の血圧の低下を起こし血圧コントロールが改善されるのではとしている。
寝る前の薬を飲むのは忘れがちになりやすいがメリットは大きいのでしっかりと薬を飲んでほしい。
出典:Bedtime hypertension treatment improves cardiovascular risk reduction: the Hygia Chronotherapy Trial.(就寝時高血圧治療は心血管リスクの低減を改善する:Hygia時間治療研究)
Ramón C Hermida, Juan J Crespo, Manuel Domínguez-Sardiña et al.
Eur Heart J. 2019 Oct 22. pii: ehz754
薬剤師 松岡武徳