灰本クリニック

コレステロールを多く含む食品を食べてもLDL-コレステロールはほとんど上昇しない

投稿日時:2020年06月09日

灰本クリニック 灰本 元

 日本人ではLDL-コレステロールが高いからと欧米ほど心筋梗塞が発症しないので、あわてて薬を飲む必要はない。ただし、糖尿病や喫煙があれば急いで120あるいは100mg/dl以下まで下げるべきである。
 多くの患者さんかどんな食べ物を減らしたらよいかという質問を受ける。当院の糖質制限食を持ってしても体重、血糖、HDL-コレステロール、中性脂肪は著しく改善するが、LDL-コレステロールはせいぜい10-15mg/dlしか下がらない。脂質を減らすカロリー制限食によって著しく下がったという報告はほとんどない。本当にコレステロールを含む食品を食べると上がるのだろうか?
 2019年の総合的解析(メタ解析)の論文には55編の研究に2652人が参加した。100mgのコレステロールを摂取すると(たまご一個に265mg含まれる)、血清LDL-コレステロール値は2~4.5mg/dl  増えるが、HDL-コレステロール値にはまったく影響しなかった。
 この結果は、食事中のコレステロールはせいぜいLDL-コレステロールは10影響する程度だが、HDL-コレステロールは変化がないことを示している。LDL-コレステロールをしっかり下げるにはスタチンを服薬した方がよい。スタチンは一錠6-12円でたいへん安価である。

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