投稿日時:2022年06月07日
血圧を下げることは脳卒中を予防するために重要なことです。しかし血圧を下げること自体がさらに糖尿病の発症リスクも下げる研究が出てきたのでご紹介したいと思います。
この研究は145,939名の参加者を4-5年追跡し新たに2型糖尿病を発症したかを調べました。その結果、血圧を5mmHg下げると2型糖尿病の発症リスクが11%減少しました。さらに主要な降圧薬のアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(オルメサルタンなど)は偽薬と比較して16%も2型糖尿病のリスクを減らすことが分かりました。
これらの結果より、糖尿病のない高血圧患者はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬を用いて積極的に降圧治療をすると糖尿病の発症も抑えられるかもしれません。
(薬剤師 松岡武徳)
出典:Blood pressure lowering and risk of new-onset type 2 diabetes: an individual participant data meta-analysis.(血圧低下と2型糖尿病の新規発症リスク:参加者個人データのメタ解析)Milad Nazarzadeh, et al. Lancet. 2021 Nov 13;398(10313):1803-1810.