投稿日時:2018年02月02日
高齢化社会となった現在の日本の国民医療費は年間約40兆円であり、2025年度には60兆円を超えるとの試算も発表されています。増え続ける医療費を削減するために国の方針としてジェネリック医薬品の使用が推奨されています。
一般的にジェネリック医薬品とは厚生労働省の認可を得て製造販売される新薬と同じ有効成分を含む医薬品のことをいいます。しかし、有効成分は一緒であっても原薬、添加物、製法などは異なることがあるため、先発品と全く同じと言い切れません。したがってジェネリック医薬品に変更することによって薬の効果に違いが出ることもあります。
みなさんは病院にかかって薬が処方された時にジェネリック医薬品を選びますか?薬代が安くなるから積極的に選ぶという人もいれば、値段が安い分効果も悪くなるのではないか心配だから選ばないという人もいるでしょう。実際に先発品とジェネリック医薬品の違いを正確に理解している人は少ないように思います。それによって何となくマイナスなイメージが生まれてしまうのかも知れません。同じジェネリックでも最近ではオーソライズドジェネリックという特殊なジェネリックも出てきています。では一般的なジェネリック医薬品とは何が違うのでしょう。
オーソライズドジェネリックとは『許諾を受けたジェネリック医薬品』という意味であり、先発メーカーから許可を得て製造するため、原薬、添加物、製法などが先発品と全く同じジェネリック医薬品を製造することができます。したがって品質は先発品と同じで、値段はジェネリックと同じということになります。薬の名前が変わるだけで中身は全く同じなので薬の効果も全く同じです。
灰本クリニックでは、薬の効果が数値で表れるもの(高血圧、糖尿病、コレステロールなど)については、ジェネリックに変更してから血液検査や診察時に聞き取りを行い、必ず効果が先発品と同等であるか検証しています。また、薬の効果が数値で表れないもの(利尿剤や抗血栓薬など)や薬物治療が重要となるもの(免疫抑制剤、抗ウイルス薬、抗てんかん薬など)については先発品を処方しています。しかし、オーソライズドジェネリックであれば先発品と全く同じ効果で値段だけ安く抑えることができるので積極的に採用しています。みなさんが今服用している薬がジェネリックかどうか、またオーソライズドジェネリックかどうか気になる方は薬剤師に相談してみてください。