投稿日時:2021年07月26日
日本の癌の状況について、集計、解析、発表している国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センターのデータをもとに日本の状況をお伝えします。
がんの発症数と死亡数は、人口の高齢化に伴って増加し続けています。高齢化の影響を除くため年齢調整をして見ると、①がんの発症は2010年前後まで増加、その後横ばいです。②死亡は1990年代半ばをピークに減少しています。③がんの生存率は多くの部位で上昇傾向にあります。
高齢者が人口の多くを占める社会では癌による死亡者数は当然多くなります(図1参照)。しかし、高齢者の割合が現在と30年前では違いすぎるので、標準となる時代(1985年)と同じ年齢構成にして高齢化の影響を除かなければ比較ができません(図2参照)。そのため、2015年の人口構成を1985年の人口構成に変換し、発症や死亡を算出したのが年齢調整発症数と年齢調整死亡数です。図3はその結果で、高齢化に伴って癌発症数(青色)癌死亡数(オレンジ色)は増加していても、年齢調整すると発症数は横ばい(灰色)、死亡数は低下しています(黄色)。