投稿日時:2020年08月12日
皆さんは普段納豆を食べますか?納豆は言わずと知れた健康食品であり、日本人にとって昔からなじみの深い食品です。納豆には様々な栄養素が含まれていますが、中でもナットウキナーゼには血液をサラサラにする効能があり、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞といった血管系の病気を予防する効果が期待できると言われていまます。
国立がん研究センターが行った納豆に関する研究の結果が2020年2月に発表されました。その研究では45歳から74歳の日本人約93000人に対して納豆の消費量と死亡率との関連性を約15年間にわたって調査しています。その結果、1日あたりの納豆の消費量によって5つのグループに分けたとき最も消費量の少ないグループ(13.4g未満)と比較して最も消費量の多いグループ(50.2g以上)では男女共それぞれ10%ずつ死亡率が低いことが明らかになりました。
また同様に比較すると、心筋梗塞などの循環器の病気や脳梗塞や脳出血といった脳血管の病気の発症が約20%低いことも確認されました。納豆1パックがだいたい45gなので、1日1パックの納豆で長寿が期待できるかも知れません。ただしワーファリンという血液を固まりにくくする薬を服用中の方は納豆によって薬の効果を弱めてしまうため納豆を召し上がることは控えていただくよう注意が必要です。(ワーファリン以外の薬は問題ありません。)
(薬剤師 北澤雄一)
出典:『Association of soy and fermented soy product intake with total and cause specific mortality: prospective cohort study』
Ryoko Katagiri et al. BMJ 2020;368:m34