投稿日時:2020年04月07日
胃薬は強さに応じてランクが分かれます。一番強い薬がPPI[商品名:パリエット(一般名:ラベプラゾール)など]、次にH2ブロッカー[商品名:ガスター(一般名:ファモチジン)など]、最後に胃粘膜保護薬と言った順番になります。薬は一般的に効き目が強いほど副作用も強くなる傾向があります。一番強い薬に分類されるPPIは今までに長期服用で肺炎感染、骨折、腎機能障害などのリスク上昇が報告されています。
今回の論文では総死亡について報告していて、H2ブロッカーと比べてPPI服用で死亡率が1.25倍に増えます。さらにPPIの服用期間が30日以内に比べ、1年以上になると死亡リスクが1.5倍に増えます。
リスクの方だけを見ると薬を飲むのが怖くなるが、胃を守る効き目は一番高いので症状がつらいときに一時的に使うなどの使い方で、副作用を抑えながら十分な効果を得られるようにする必要があります。
1年以上の服用で死亡危険度は1.5倍に!
出典:Risk of death among users of Proton Pump Inhibitors: a longitudinal observational cohort study of United States veterans.(PPI使用者の死亡リスク:アメリカ退役軍人の縦断的観察コホート研究)
Yan Xie, Benjamin Bowe, Tingting Li et al.
BMJ Open. 2017 Jul 4;7(6):e015735
薬剤師 松岡武徳