〈スタッフ同士の連携〉
毎朝、スタッフ全員(看護師、放射線技師、検査技師、管理栄養士、事務、看護助手、医師)がその日の患者さんの予約状況、検査の有無、過去の治療経過などを話し合い、全員が当日の状況を把握し対応しています。
また、毎日の診療で1人のスタッフに仕事が集中しないように声を掛け合いながら効率よく分担し、職種の垣根を越えて助け合っています。
〈予診〉
看護師は診察の前に、いつもと違った症状がないか、困っていることがないかなどの聞き取りを行っています。診察室では話しにくい内容や不安などを患者さんから気軽に相談できる雰囲気作りをしています。
〈患者さんとの関係〉
高血圧や糖尿病は初診からの6ヶ月間、計画的に検査や治療をおこないます。食事内容や薬の管理、日々の検査値の把握など患者さん自身が理解したうえで治療することが大切です。その手助けとして治療計画(クリニカルパス)に基づいた検査や家庭での血圧測定方法の説明にも力を入れています。
毎月通院している患者さんとの何気ない会話から普段と違った表情などを見逃さないよう気をつけています。患者さんの心理状況の変化や、仕事や家庭の問題にまで心を配っています。そのような患者さんとの関係作りのなかで一緒に喜び悲しみ悩んだりしています。
〈胃・大腸カメラの説明と介助〉
検査前日から当日の流れ、検査内容についてクリニカルパスを用いて分かりやすく説明しています。
検査中は痛みをできるだけ少なくするために患者さんのそばに寄り添い、表情を見ながら不安や緊張が取れるように声を掛けています。また、医師がカメラを操作しやすいように患者さんの体位変換や検査の補助をしています。
検査後は注意事項を説明して安心して帰宅していただけるように質問にも丁寧にお答えしています。
常勤1名が勤務しており、1日20人の患者さんの栄養相談を行っています。糖尿病、体重減量、癌術後・心不全・呼吸器不全の痩せた患者さんへの体重増加など目的はさまざまです。糖尿病患者さんが集団で受講する糖尿病教室も月2回行っています。
当院の特徴は「ゆるやかなローカーボ(糖質制限)食」と「体重を太らせる栄養相談」の2つです。詳しくはこちらをご覧ください。
癌・心不全に太るための栄養治療
「体重を太らせる栄養相談」とは癌術後や痩せすぎた患者さんの体重増加の取り組みです。40歳以上では太るほど死亡リスクが減り(ただし、肥満指数30以上の太りすぎは×)、男では肥満指数23未満や女では21未満では痩せるほど死亡リスクが上がることが大規模な研究から明らかとなっています。つまり、痩せよりも小太りのほうが長生きということです。*肥満指数(Body mass index BMI=体重kg÷身長m÷身長m)
たとえば胃癌の手術をすると7~15kg体重が減ります。さらに放射線治療や抗癌剤治療などが始まるともっと体重が減ります。癌を生き抜くためには痩せたらダメです。現在、当院では140名の方が体重増加の取り組みを行っています。教科書も前例もないこの取り組みにわたしたちはとても苦労しています。しかし、体重が少しでも増えると患者さんの今後の治療選択や予後が大きく違うことを実感しているので、命に関わるこの取り組みにこれまでにない責任を感じています。
どの栄養相談にも共通していることは、患者さんそれぞれの生活習慣や食事の好みを十分に聞き、無理なく長く続けられるように多くの提案をして、患者さんにあった食事療法を一緒に創り出すことです。
診療放射線技師3人(男2人、女1人)で一般撮影、CT、胃透視、注腸検査、エコー(腹部、心臓、頸動脈、甲状腺、血管)検査などを行っています。CT検査は年間1000件、エコー検査は2500件ほどで、癌の発見だけでなく緊急手術が必要な急性の腹部疾患や動脈瘤の発見に力を入れています。
放射線読影医と議論しながら、撮影だけにはとどまらず重大な病気を見落とさないために読影にも力を入れています。読影技術を勉強するために近隣の大学病院や総合病院のカンファレンスなどへも参加しています。2018年6月から院外の放射線技師や検査技師の十数人がCTやエコー画像の読影力を養うために月1回当院に集まって症例検討会を開いており、仲間と切磋琢磨して画像診断を勉強しています。
大きな病院とは違い患者さんとふれあう機会の多いクリニックでは、抗癌剤治療のつらさなどを話す患者さんもいますし、逆にわたしたちの体調などを気遣ってくれる患者さんもいます。ときには受け答えに困る場面などもあり、技師として技術だけでなく心も鍛えられています。
採血、心電図、尿検査、肺機能検査、超音波検査(頸動脈、腹部、甲状腺など)、ホルター心電図や睡眠時無呼吸検査の解析などもわたしたちの主な仕事です。乳腺エコーは2名の女性技師が担当しています。
検査室にこもって検査だけをする病院とは違って、医師や看護師、管理栄養士、診療放射線技師と一緒に仕事をするので救急患者さんに対応することもあり毎日医療の厳しさを感じています。問診や検査中には患者さんの病気や生活、家族関係などを知ることも多く、他の職員とその情報を伝えあい、次の来院時には患者さんに声をかけられるように心がけています。
現在、常勤4人とパート2人の6人の医療事務で仕事にあたっています。おもな業務は①受付や会計などの窓口業務、②診察室での診療介助(横付き)、③電子カルテの入力・レセプト作製、④レセプトの点検、⑤紹介状の準備などです。これらの業務を交代で行うのでパソコンの入力作業が多い日もあれば患者さんの対応が中心の日もあり、毎日同じ事の繰り返しとならないので気持ちを切り替えて業務に取り組むことができます。
当院の医療事務の特徴は横付きです。横付きとは診察室で医師の横について診察の内容を聞きながら診療の補助を行う業務です。毎日、医師と患者さんの会話を聞くので患者さんの病気や家族、生活状況などをよく理解できるようになります。その結果、定期通院されている患者さんに会計時や次回来院時に「回復されましたか?」「異常が無くて良かったですね」と声掛けすることができます。
レセプト点検は一枚のレセプトを薬、検査、病名の3つに分けて分担して行います。点検前にその月の診療や検査、薬の変更点、病名等を確認し、わかりやすいコメントを考えてきれいなレセプトを作る努力をしています。
患者さんからの様々な質問や要望に応えられるように院内の検討会にも参加し、朝礼で情報交換をしています。病気や薬、検査について学ぶ機会も多く、分からないことは医師や看護師にすぐに聞くことができるので医療の知識が豊富になります。毎月開催される定例会では入職年数に関係なく自分たちの意見や考えが採用されたり業務に反映されることもしばしばあります。