これまでに紹介した10症例の小さな肺病変は性状やサイズ、増大速度などさまざまです。最後の症例10と炎症性病変(症例4,症例9)の2症例を除きいずれも癌が確定しています。見つかった病変が10mmに満たないとき、その病変が増大するのか、はたまた縮小ないし消失してしまうのかは経過をみないとわかりません。当院では年齢を考慮しつつ手術の時期や適応を正確に判断しています。ここに紹介した10症例は、当院で経験した数百症例の肺癌を疑った症例の中から厳選して患者さんの了解を得て掲載しました。肺癌が疑われたとき過度に不安になったり楽観したりしないよう、これらの症例を参考にしてください。