灰本クリニック

症例9「4ヶ月の経過観察で消失した病変」

患者背景:70代 男性 糖尿病で定期通院中の患者さん

発見の経緯:年1回の胸部動脈瘤経過観察のCTで偶然見つかりました。

胸部CTの所見と病変の特徴:左肺上葉(左肺の上方,図1)に8mmほどの非常に淡い病変を認め、一年前のCTには無い所見でした。炎症性の病変も考えますが早期肺癌も否定できず短期間で経過観察とし、患者さんの希望で4ヶ月後のCT検査としました。

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経過:4ヶ月後のCTで淡い病変は消失していました(図2)。

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確定診断:炎症性病変(一時的に発症した小さな炎症)

解説:ここに紹介する病変は良性も悪性も考えられ、経過観察で大きさや病変部の濃度を慎重に見ていくことが重要です。また、特に淡い病変は白黒反転することで病変の大きさや濃度の変化が見やすくなります(図1右)。 本症例の様に、炎症性病変ではおおむね3ヶ月~6ヶ月で縮小、消失する場合が多いようです。6ヶ月を経過しても変化がないか少し大きくなれば、その病変は癌の可能性もあるので慎重に経過観察が必要です。経過観察の期間は増大速度により異なりますが、増大速度が早い病変やそのサイズが15mmに近づいたら速やかに呼吸器外科へ紹介します。
 


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