灰本クリニック

症例7「微小な病変でも速やかに手術になった肺癌の症例」

患者背景:70代 女性

発見の経緯:大腸癌術後の胸腹部CTで偶然見つかりました。

胸部CTの所見:大腸癌の手術を行ったN病院で3ヶ月前に撮影されたCT(図1)では、黄色の↓で示した病変は淡くはっきりしません。当院で行ったCTを細かく切り出した画像(図2)では、右肺上葉(右肺の上側)に径6mmの小さな病変(黄色の↓)が写っています。また、赤い↑に示した上の肺と下の肺を隔てる肺の膜(葉間胸膜/病変近傍の白い線)に接しているように見えます。レントゲンと同じように、縦に構成しなおした画像(図3)で確認しても同様の所見でした。

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 図2の病変部を拡大して白黒反転した写真(図4)では、病変部(黄色↑)が接する葉間胸膜(赤い↑)が「くの字」にひきつれています。10mmにも満たない病変でも葉間胸膜を引っ張り込むような変化は癌を強く疑う特徴的なサインです。

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経過と解説:N病院呼吸器外科へ紹介し速やかに手術になりました。こんなに小さな癌でも、葉間胸膜を引き込んで胸膜に浸潤し肺の外へ播種(散らばる)する危険があります。経過観察せずに速やかに手術になった癌もあります。

確定診断:ステージⅠA期の肺腺癌


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