投稿日時:2022年12月05日
健康のために歩きましょうとよく言われますが、一番長生きにつながる1日の歩数はいったいどのくらいでしょうか?その答えになるかもしれない研究結果が発表されました。
この論文の特徴は、歩数だけでなく歩行の速さについても手首式の加速度計測データを用いて調べ、速度が速いときの1分当たりの平均歩数を出すことで歩行の速さについての研究結果も出ました。
78,500人を7年間追跡した結果、がん、心血管疾患、あらゆる疾患による死亡それに認知症のリスクを最も減らすことができる歩数はどの疾患でも約1万歩でした。歩行の速さについては、がんおよび心血管疾患の発生、すべての疾患による死亡を減らすには1分当たり70-80歩程度(時速3km:普通の歩くスピード)、認知症の予防には112歩でした(時速約4km:早歩き)。
いずれにしても、1日当たり1万歩、時速4kmは長生きや認知症予防ののための目標歩数になると考えられます。ちなみに仕事などでそんなに歩けないという人でも最低3~4000歩を目安に歩くと各項目のリスクをある程度下げることができるようです。
出典:Prospective Associations of Daily Step Counts and Intensity With Cancer and Cardiovascular Disease Incidence and Mortality and All-Cause Mortality(毎日の歩数および歩数強度とがんおよび心血管疾患の罹患率と死亡率と全死亡率との前向き関連)Borja del Pozo Cruz,et al. JAMA Intern Med. doi:10.1001/jamainternmed.2022.4000
Association of Daily Step Count and Intensity With Incident Dementia in 78 430 Adults Living in the UK(英国在住の成人78430人の毎日の歩数と歩数強度と認知症発症との関連性)Borja del Pozo Cruz,et al. JAMA Neurol. 2022;79(10):1059-1063
薬剤師 松岡武徳