投稿日時:2017年01月11日
新年年明けからうっすらと霜も降りるようになり、ようやく平年並みの寒さを感じるようになりました。年末が比較的暖かったためか特に最近寒さを感じます。
当院所在の愛知県春日井市でも、インフルエンザや冬の胃腸風邪(ノロウィルス)が流行始めました。インフルエンザに関してはほぼ平年並みです。
胃腸風邪の症状と言えば、嘔吐、下痢、微熱(37℃前後)と腹部膨満感。激しい嘔吐がある場合は下痢が少なく、嘔吐がない場合は1日に10回近くの泥状の下痢が一般的ですが、今年は激しい嘔吐や下痢の症状は10年前の流行より軽いものの、食欲低下がだらだら続く印象があります。
胃腸風邪の患者さんのお腹のレントゲンを撮ると、胃が胃液でいっぱいだったり、小腸や大腸に異常なガス像が出ており、胃腸の動きが麻痺して止まっているのがわかります。動きが止まった胃や小腸のなかには、胃液や腸液が充満し、わずかな空間が残っているだけですから、少し飲むだけで吐いてしまいます。絶食だけでなく絶飲として、口が渇けば氷をなめる程度がおすすめです。
冬の胃腸風邪(ノロウィルス)には漢方薬が効きます。胃腸に溜まった液体を尿に出す作用がある五苓散、それに止まってしまった胃腸の動きを再開させて、溜まった泥状の胃腸液や便を排出させる調胃承気湯が有効です。
胃腸風邪は、急に朝の気温が下がり始めたころに患者さんが増えます。特に昼と夜の寒暖差が激しい時の暴飲暴食は注意しましょう。この時期はお正月、新年会等で、外食の機会が増えますので注意が必要です。また、外出から帰宅後の手洗い、うがいはしっかりとするよう心がけましょう。