灰本クリニック

大腸ポリープの一部に癌があった。でも取りきれた。どういうこと?

 大腸カメラでポリープを切除した後、医師から顕微鏡検査の結果で「良性の一部に癌がありました」「癌だったけれども取りきれたので心配は要らないです」「良性でしたが、〇年後にまた検査しましょう」と言われ、家に帰ってから「どういうこと?」と思った人は多いと思います。

 これらの疑問に対して、顕微鏡写真を交えながら少しでも分かりやすく解説したいと思います。

 大腸表面に発生する腫瘍は、病理医(顕微鏡で組織を見て最終診断を行う医師)によって、①癌、②腺腫、③その他に分類されます。①がいわゆる悪性、②が良性腫瘍になりますが、オセロの白と黒のようにはっきり分かれているわけではなく、下の図のように白→灰色→濃い灰色→黒といったように、曖昧とも言える連続した分類となります。病理医は細胞の配列(=腺管構造)や細胞の形などから総合的に診断しますが、ある病理医は癌(黒)と診断しても他の病理医は高度異型の腺管腺腫(濃い灰色)だと診断することもあって一筋縄ではいきません。

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<大腸カメラ症例集>
症例01 「平べったいヒラメのようなポリープ、無茎性の鋸歯状ポリーとは?」


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