灰本クリニック

症例4「6ヶ月の経過観察で消失した病変」

患者背景:70代 女性 肺炎で来院した患者さん

発見の経緯:急性肺炎の経過観察中に偶然見つかりました。

胸部CTの所見と病変の特徴:左肺下葉(左肺の下の方で背中側,図1)に8mmほどの非常に淡く中心部分がわずかに濃い病変(図2)を認めます。
【症例1】で解説した病変にも類似しており早期の肺癌が否定できず引き続き経過観察としました。

GGN Disappearance3.jpg

経過:6ヶ月後のCTで淡い病変は消失していました(図4)。

確定診断:炎症性病変(一時的に発症した小さな炎症)

解説:図2の様な病変は良性も悪性も考えられ、経過観察で大きさや病変部の濃度を慎重に見ていくことが重要です。また、白黒反転することで病変の大きさや濃度の変化が見やすくなります(図3)。特に淡い病変の経過を見る時に有効です。
 炎症性病変ではおおむね3ヶ月~6ヶ月で縮小、消失するなどの変化があります。6ヶ月を経過しても消えないか少し大きくなったら、その病変は癌を否定できず慎重に経過観察が必要です。経過観察の期間は見つかった時の大きさや増大速度により異なります。増大速度が早い病変、増大速度が遅く淡い病変でも陰影が濃くなると早期肺癌を疑うので速やかに呼吸器外科へ紹介します。


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